パインアメ公式「他企業と会う時は、飴ちゃん袋をパンパンに」


60年以上愛され続けるロングセラー商品「パインアメ」。特に、製造元であるパイン株式会社の地元・大阪では抜群の知名度を誇っている。そんなパイン株式会社の公式Twitterアカウントはフォロワー数9万人超え(2017年1月23日現在)。関西の企業らしいノリの良さで人気を集める「中の人」は、どんな人物なのだろうか? ツイッター開設と運営の裏話を聞いた。

■「パインアメは鳴らない」…カミングアウトでフォロワーざわつく


2010年のアカウント開設以来、一人で運営を任されている「中の人」。「パインアメは吹いても鳴らない」というぶっちゃけ投稿でファンをざわつかせたり、パインアメで作った雪だるまや恵方巻の画像を投稿したり、他社のツイッターアカウントが面白そうなやり取りをしていれば果敢に首を突っ込んだりと、自由なノリが魅力だ。しかし、取材時の話しぶりは、実におっとりとした関西弁。そのつぶやきに見る“アナーキーさ”は、まるで感じられない。

―― まず、「中の人」に指名された経緯を教えてください。

「2010年に会社が、『仕事や職場環境についての改善案』を募集していたんです。その時に私が『Twitterの公式アカウントを作ったらどうか?』と提案しました。当時は企業アカウントの第一次“中の人ブーム”で、たとえばカトキチさん(現・テーブルマーク)がおやじギャグを多用した投稿で人気を博していたんです。企業でもこんなにゆるくつぶやいていいんだなと、面白いなと。うちはお菓子の会社だし、楽しくツイッターを活用してはどうかと、気軽に提案しました」

―― 提案者として、そのまま中の人もやる流れになったわけですね。

「ただ、自分が担当になるつもりはなかったんです。その時は事務員として働いていて、広報と全く関係ない部署でしたし。企画が通って、いざ誰がつぶやくんだとなった時に、提案者の私にブーメランが戻ってきたというわけです。まさかこんなことになるとは…」

―― なるほど。初期から運用方針などは決めていたんですか?

「挨拶するときに“おはよう”を“おパよう”って言ってみたり(パインだけに)。あと、時報で15:00をお知らせするときにゼロの部分をパインアメで表現したり。そういうゆるさは当初から出すようにしていて、唯一の運営方針といえば運営方針かもしれないです。会社も放任主義なんですよ。ツイッターに関しては私にほぼ一任されていて制約もほとんどないです。だからこそ、私自身がOKとNGラインの線引きを、しっかり持たなきゃという自覚はあります。ただ、あまりおとなしくてもつまらないのでギリギリのところを攻めていきたい。シャープさんもつぶやいているからこれくらいなら大丈夫かな? とか、他企業アカウントさんも参考にしながら境界線をはかっています」

―― 2012年には「パインアメは吹いても鳴らない」ことを公表してネット上で話題を呼びました。てっきり鳴るものと思っていたファンの中には、ショックを受けた人も少なからずいたのでは?

「私としては気軽にツイートしただけなので、こんなに反響があるとは正直驚きでした。ただ、鳴らないことは事実ですので。そもそも、パインアメのあの形はパイナップル缶のパイナップルを模して作ったもので、最初から鳴る設計ではないのです。『鳴るように改良してください』というお声もたくさんいただきましたが、飴ちゃんではなかなか難しく…、そこはご理解いただけるとありがたいです」


しかし、このツイートをきっかけにフエラムネの製造会社コリスとコラボが実現。2014年にパインアメ味のフエラムネが発売。鳴らずに悔しい思いをしていたファンに、違う形だが応えることができたといえる。

「ありがたいことに“パインアメは鳴らない”というツイートをご覧いただいたコリスさんからコラボのご提案をいただきました。このつぶやきがなければこの商品は生まれなかったと思うと、感慨深いものがあります」

■キンコン西野氏に「10kgのパインアメを送りつけ事件」

―― パインアメって商品は、独特の愛嬌があって、すごく愛されているイメージです。特に、地元の大阪では知名度も抜群ですよね。

「大阪の飴ちゃん文化が大きいと思います。特に女性は“飴ちゃん袋”を常備しているんですよ。困っている時に助けてもらうと、袋から出して『ありがとう。はい』って渡す。私も小さい頃からおばちゃんに飴をいっぱいもらってきました。そんな背景の中で、60年以上前からあるパインアメも支持いただけているんじゃないでしょうか」

―― 中の人も“飴ちゃん袋”を持っているんですか?

「もちろんです。たまに他企業のツイッターアカウントの“中の人”とイベントなどでお会いする時があるのですが、その時はパインアメをパンパンに詰め込んでいきます。関西では、飴がある種のコミュニケーションツールになっているんですよね」

―― そういえば、昨年はキングコングの西野亮廣さんも、共演者にパインアメを配っていることを明かして話題になっていましたよね。

「もともとはファンの方が『西野さんからパインアメをもらった』と呟かれていて、それを私がリツイートしたところからご縁が生まれました。それで会社としても嬉しくなって、西野さんに10kgのパインアメを送りつけてしまったんですよ…。今思えば、明らかに多すぎて邪魔。迷惑な話なんですけど、いっぱい送ったほうが喜んでくれるだろうって思ったんです。

それをきっかけに、西野さんには『スットンキョウ』と呼ばれてしまっていますが、困惑しつつも、10kgのパインアメをすべて配りきってくださいました」

一生懸命ながらも、どこか抜けている「中の人」。そんなところも含めてパインアメっぽい気がした。

(吉岡成味/やじろべえ)

【関連リンク】
■パインアメの【パイン株式会社】 (@pain_ame) | Twitter
https://twitter.com/pain_ame?lang=ja
■パインアメ – パイン株式会社
http://www.pine.co.jp/product/hukuro05.html

インタビュー パインアメ 中の人 運営 鳴らない